ずっと、ずっと。
憧れていた場所に、今、私はいるのかもしれない。
いじめられて苦しかった時、
ひとりぼっちで席に座って私は見ていた。
仲良し同士で楽しそうに会話をする人たちを。
いいなぁ……って。
羨ましいなぁ……って。
そう思っていた場所に、
私は、
もしかしたら……いるのかもしれない。
ーーガラガラッ……!
「……っ!」
ちょうどその時。
クラスに入って来た人物に、反射的に立ち上がる。
胸もとまであるゆるい癖っ毛、ぱっちりした瞳、華奢な身体、気品ある歩き方で目を引く彼女は間違いなく
……玲花ちゃんだ。
久しぶりに見る彼女の姿に感極まる。
玲香ちゃん!!!
「玲香ちゃん!お久しぶりですっ。心配してたんですよ?元気でしたか!?」
駆け寄って玲花ちゃんを見ると、大きい瞳がゆっくりと私を見た。
「うっざい。ブス。しゃべりかけんな」
…………。
え……?
一瞬、なにを言われたのか。
まったく理解できなかった。
今までずっと言われ慣れていた自覚ある言葉たちだけど……でもどうして玲花ちゃんの口から聞いているんだろう私?



