夢のような恋だった



「……私も挨拶に行きたい。智くんのお家」

「うん。でも、俺が説得してからにしなよ」

「ううん。二人のことだもん。二人で話しに行こ? 私、おばさんに分かってもらえるように頑張るから」


身を乗り出して笑顔で言ったら、彼がおでこをくっつけてきた。


「うん。ありがと」


すぐ近くに、智くんのまつ毛。
あまりの近さにドキドキして心臓が急に暴れだす。
だけど、それは居心地の悪いドキドキじゃなくて、心が踊りだすような、嬉しいドキドキ。


「一緒に頑張ろうね」

「うん」


私が彼の髪の毛をくしゃりと触ると、彼も私の髪を梳いてくる。


きっと、智くんとなら大丈夫。
どんな困難も乗り越えていけるから。


子猫たちがじゃれあうみたいにお互いの体に触れ合いながら、私達は何度も微笑んだ。