*
それから一週間。
山形さんからの返事が来ないことが気になりつつも、日々は過ぎていく。
休んで迷惑をかけた分も、と今週は本屋のシフトを多めに入れている。
夕方になり足も痛くなってきたけれど、レジに入っていることもあり出来るだけ笑顔で居ることを心がけた。
お客が途切れたので、栞や輪ゴムのチェックをしようと顔を下に向ける。
そのタイミングで影が刺したので反射的に「いらっしゃいませ」と顔を上げた。
「や、紗優ちゃん久しぶり」
立っていたのは茂くんだ。
私は驚いて思わず息を飲んでしまった。
「茂くん。……お仕事終わったの?」
「紗優ちゃんももうじき終わりでしょ? ちょっと話せない?」
「え、……でも」
確かに、もう十五分もすれば上がり時間だけど。
「別れたって草太から聞いた。紗優ちゃんにも色々言い分あるんじゃない? 俺で良かったら話してみない?」
「……草太くんがどんな風に言ったのか知らないけど。私は茂くんに話すようなことないわ」
レジ前だと逃げることも出来ないし邪険にも出来ない。
ここで詰め寄ってくるなんてズルい。
それから一週間。
山形さんからの返事が来ないことが気になりつつも、日々は過ぎていく。
休んで迷惑をかけた分も、と今週は本屋のシフトを多めに入れている。
夕方になり足も痛くなってきたけれど、レジに入っていることもあり出来るだけ笑顔で居ることを心がけた。
お客が途切れたので、栞や輪ゴムのチェックをしようと顔を下に向ける。
そのタイミングで影が刺したので反射的に「いらっしゃいませ」と顔を上げた。
「や、紗優ちゃん久しぶり」
立っていたのは茂くんだ。
私は驚いて思わず息を飲んでしまった。
「茂くん。……お仕事終わったの?」
「紗優ちゃんももうじき終わりでしょ? ちょっと話せない?」
「え、……でも」
確かに、もう十五分もすれば上がり時間だけど。
「別れたって草太から聞いた。紗優ちゃんにも色々言い分あるんじゃない? 俺で良かったら話してみない?」
「……草太くんがどんな風に言ったのか知らないけど。私は茂くんに話すようなことないわ」
レジ前だと逃げることも出来ないし邪険にも出来ない。
ここで詰め寄ってくるなんてズルい。



