さらに舗装されていない山の傾斜道を進み。
暫くすると傾斜が無い開けた場所についた。

「あそこにいる・・!」
「え?」
ハッシュが森の暗がりを指差す。

「あそこ。」
「どこ?」
一瞬、ハッシュがふざけてるのかと思った。
しかし。

「あ、こんばんは。」
思わず会釈して挨拶してしまった。
森の暗がりに、制服を着た30歳くらいの男性がいたからだ。
制服と言ってもチェーン店のオレンジのチェックのYシャツに黄色のエプロンの姿で・・。

「あの・・?もしもし?」
話しかけても橋本さんは夜空を見上げたまま動かない。

「トモヒー撃て。引き金を引け。」
ハッシュが橋本さんから目を離さずに言った。
「無理だよ!ただの人じゃないか!?いくら玩具といっても痛いよ!?」
俺はうろたえながらハッシュと橋本さんを交互に見た。

「橋本さん!何か言って下さいよ!?橋本さん!」
たまらなくなり、橋本さんに話しかける。
そして
「橋本エリアマネージャー!!」
「ひっ!!」
肩書きをつけて呼び掛けたら、一瞬反応を示したのだった!

「す・・。す・・。」
橋本さんは何かを言いたそうにこちらを見た。
「すいません!!お客様ぁ!!!」

橋本さんがそう言うか言わないかで自分の頭に光が閃き、地面に転げ落ちた!!