『私の?私力なんて持ってないよ』

『それは、千奈がまだ気づかないだけ。だけど、他の妖は千奈の力に気づいてる。でも大丈夫だ、そのマフラーをしていれば、千奈の力は分からない』

『本当に?』

不安になっていた私の頭を、白は優しく撫でてくれて。

『もし何かあっても、俺が直ぐに助けに行くから』

私を不安から救ってくれる。

(そうだ!暗い所に行っちゃ駄目!)

その時、私の意識は完全に戻り、子供の声は聞こえなくなった。

「今の何だったのかな?それより早く、二人の所に戻らなくちゃ」

元きた道を走って戻るけど、方向音痴の私は、来た道すら覚えてなく、どんどん暗い所へと向かってしまう……。