「……こっち」

その頃私は、声のする方へと歩いて行く、暗い道が繋がる所へと。

(あれ?何で私歩いてるんだろ?)

体が思うように動かなくて、誰かに操られてる気がして。

(どんどん、周りが暗くなっていく)

雪が降っていて太陽も出ていないから、普段太陽の光で照らされている道も、今日は夜の道みたくに真っ暗だった。

(…暗い場所)

何か大切な事を忘れている気がする、白と私はもう一つ大切なことを約束したはず。

シャリン!

その時、かばんの中に入れていおいた鈴が突然鳴った。

(あっ!)

その時思い出した。

『それと最後に、この鈴はお前の身が危なくなると鳴るようになっている』

『危なくなると?』

白と別れるとき、最後に白が忠告してくれたこと。

『俺も千奈と同じ鈴を持ってるから、この鈴が鳴れば、俺の所にもその音は届く。それと、絶対暗い所には一人で行くな』

『どうして?』

『お前の力を欲しがる奴らが、お前を捕まえにかかるからさ』