「おい待てよ美心!千奈は関係あるだろ!」

「え!やっぱり!!」

「コラ!コラ!」

美心ちゃんが神斗君の襟元を引っ張って、私から離れる。

「あんた忘れたの?昔千奈に告白して見事に振られたこと」

「見事ってなんだよ!」

ヒソヒソと何かを話している。ちょっと気になるけど、話が終わるまで待ってよ。

「……こっち……」

「えっ?」

「………こっち…」

声が聞こえた、小さな子供の声が。

「誰?」

声のする方へと振り返ってみると、お店の曲がり角の所から、小さな手が私を手招きしてる。

「………」