「これ!旨そうだよ」


と 言いながら 豚の角煮をあたしのお皿に入れてる。


「ちょっと!自分のお皿に入れてよね」


だから あたしも 負けずに入れてやる。


「これ!美味しそうよ~」


魚の酢漬け。


「わっ!マジ勘弁」


「えっ?嫌いなの?」


「魚自体は好きなんだけど
酢漬けがね 何で酢につけるわけ?みたいな」


「あたしと一緒だね」


「げっ!自分の嫌いなものを
乗せたなぁ~!」


拓斗があたしのお皿に 酢漬けを乗せようとした瞬間 交わしてやると 地面にポロリと落ちてしまった。


側にいた従業員の人が
『あ…大丈夫ですよぉ~』
と 言ってたが あの目は
『アホか!』
みたいな目をしてた。


それを 席に帰って 笑うあたしたち。