後日、家に咲谷ご夫婦から手紙が届いた。 事件のことに関してのお礼から文章は始まり、育児日記を妻が見て大泣きをしたと綺麗な字で綴ってあった。 そして、長い間恵まれなかった子供を妻が妊娠した、と報告が書かれていた。 『母の残してくれた育児日記と大きな愛情を参考に、夫婦で協力して子育てを頑張りたいと思います。……かぁ』 その手紙を読みながら、うんうんっと嬉しそうに音波は頷いた。 「ねぇ、音波ちゃん。僕、金平糖食べたい」 少し開いた襖を器用に開けて、沖田はニャーッと鳴いた。