部屋に飾ってあったものも取り外し、ダンボールに入れる。 『これを、咲谷さんご夫婦に渡したら。君はここから退いてくれるの??』 「別に構わないよ。思い出深い場所ではあるけど、誰かに踏み荒らされたくないからね」 咲谷さんのご主人と同じことを言っている沖田に、音波は笑みをこぼした。 『それ、同じこと咲谷さんのご主人も言ってましたよ』 「……フンッ」 スッと顔を背ける沖田に、音波は笑みを深めた。