「ここのおばぁさん、死んだんでしょ??」 沖田の閉じた目が片目だけ開けられ、音波へと視線を向ける。 『まさか、おばあさんに手を出したの!?』 「違うよ。なんで僕が命の恩人に、手を出す必要があるの??」 『……おん、じん??』 退魔の剣に手をかけていた音波は、ポッカリと口をあけ刀の柄から手を離した。 「死んで目が覚めたら猫の姿。しかも、ここは江戸時代じゃなかった」 餌の狩方なんて知らない、僕は栄養失調で瀕死の状態だった、と沖田はソヨソヨと流れる風に目を細めた。