また、何かを忘れた気がするんだ。



高校1年生、夏。



何かを忘れて…思い出して。


なのに、今…




また、何かを忘れてるんだ。





心にぽっかりと穴が空いて。

その穴を埋められる物を…



忘れてしまったんだ。




「………起きなきゃ、な」




16歳となった夏。

俺、良弥は日本でもトップクラスの進学校に通っている。


成績は高校に行ったらさすがに中学の頃みたいに1桁はむずいけど…基本、10番代。

このままキープすれば難関大だって夢じゃない。




自分が追う夢…『医者』という夢を叶えるため、俺は日々勉強していた。