「おはよー、流」 「おっす」 …──ドキッ! クラスメイトが呼ぶ彼の名前と、クラスメイトに返す彼の落ち着いた低い声に、私は思わず反応してしまう。 「来たねー、由依の好きな水原くん♪ 今日もかっこいいね〜」 「ちょっと、彩夏!他のみんなに聞こえちゃうよ」 「だいじょーぶ!そんなに声大きくないし、みんな友達との話に夢中だから、聞こえてないって」 「もぉ〜」 私は気を取り直して、こっそりと水原くんのほうを見つめる。 相変わらず、イケメンだなぁ。