「あ、前園今、なんで俺がそんな自信ありげに、この手紙の差出人が自分だって言えるの!?って思っただろ?」
ずっ…図星だ。
「どうしてか、教えて欲しい?」
私は水原くんに、返事を言う代わりにコクコクと、首を何度も縦に振る。
「あ、今認めたね。ラブレターを書いたのは自分だって」
しまった!つい…。
私は1人、アワアワと焦る。
「しょうがないなぁ。そんなに気になるなら、教えてあげるよ」
水原くんは、私がおくったラブレターの封筒の中から便せんを取り出し…
「ほら、ここに書いてあるじゃん。
前園って」
水原くんはそう言って、便せんを指さすけれど…
何度見ても、便せんには今朝、山田くんに勝手に声に出して読まれてしまった内容が書かれているだけで…
どこにも、“前園 由依”という名前なんて書かれていない。
訳が分からず、私は頭の中が“?”でいっぱいになる。



