「……野崎さん、お隣で食べてもいいですか?」

「………っ。ど、どうぞ。書類の上にこぼさないでくださいね」

真正面で食事をしていたが、隣へ移動する。
嫌な顔一つせず、むしろどこか嬉しそうだった。

信じていいのだろうか、と思案する。
野崎が自分を愛してくれてると。

とりあえず、メイは野崎を見つめて考えた。

「……メイさん」

「はいっ」

「……恥ずかしいのであまり見ないで頂けますか」

「ごめんなさいっ!は、恥ずかしいんですか?」

「……恥ずかしいです。メイさんもずっと見つめられては嫌でしょう」


メイにはよくわからなかった。
なぜなら。


「いつもご主人様に見られてるけど、恥ずかしくないです…。ごめんなさい、わかんないです。慣れちゃってるのかなぁ…」

「あのロリコン社長……」

「こないだも夜中起きたらご主人様がいて、ずっとメイの寝顔見てたみたいだし…うん、やっぱり慣れちゃってるんですねっ」

「うわぁ…変なことされてませんか?

「へんなこと?見てるだけですよ」

「本当ですか?でも怒っておいてあげますからね一一メイさん気をつけてください。あなた危ういです」

「あの、あんまり怒らないであげて下さいです…メイは恥ずかしくないですから」

「いえ、これは常識の問題です。あんまり危ないようでしたら、本当に私が引き取るって話します」

「え?引き取る?」

「当然です。あなたをそんな危ないところに置いておくなんて、私の良心が咎めます」


そう言われて、メイは呆然とした。
だって。


「……野崎さん、メイのこと好きなんですか?」



そういうことになるからだ。