ご主人様に監禁されて


◇◇◇


父親を迎える日がやって来た。



気持ち悪い憎悪に似た、嫌な感情が出てきたので飲み込んだ。

体が震えそうになる。



車が止まって、中から金髪の男が出てきた。

スーツを着ていて、線が細めのルイとは違いがっしりとしている。

最後にあった時よりもずっと老けていた。


『久しぶりだな、ルイ』
『お久しぶりです、父上』


顔を見たくないので深く深く頭を下げる。

忠誠心にでも見えたのか、満足そうだった。

隣の野崎は頭を下げながら、ちらちらとルイの様子を伺っていた。


『それは?お前の女か?』


野崎のことを指してるのだ。

『……』

メイに会うため野崎のマンションに通うには、そういう口実も必要だろう。

考えて、抵抗はあるが頷いた。

『…そうか。だから帰ってこなかったのか』
『申し訳ありません』
『いや、こちらとしてもその方が都合がいい』


都合がいい。


その言葉に疑問を覚えたが、彼が進み出したので、ルイもついていった。

玄関で靴を脱がせて、そのまま客間へと案内させる。

『まずは仕事の話を』と言われたからだ。

使用人にお茶を淹れるように頼み、客間へ入っていった。