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父親を迎える日がやって来た。
気持ち悪い憎悪に似た、嫌な感情が出てきたので飲み込んだ。
体が震えそうになる。
車が止まって、中から金髪の男が出てきた。
スーツを着ていて、線が細めのルイとは違いがっしりとしている。
最後にあった時よりもずっと老けていた。
『久しぶりだな、ルイ』
『お久しぶりです、父上』
顔を見たくないので深く深く頭を下げる。
忠誠心にでも見えたのか、満足そうだった。
隣の野崎は頭を下げながら、ちらちらとルイの様子を伺っていた。
『それは?お前の女か?』
野崎のことを指してるのだ。
『……』
メイに会うため野崎のマンションに通うには、そういう口実も必要だろう。
考えて、抵抗はあるが頷いた。
『…そうか。だから帰ってこなかったのか』
『申し訳ありません』
『いや、こちらとしてもその方が都合がいい』
都合がいい。
その言葉に疑問を覚えたが、彼が進み出したので、ルイもついていった。
玄関で靴を脱がせて、そのまま客間へと案内させる。
『まずは仕事の話を』と言われたからだ。
使用人にお茶を淹れるように頼み、客間へ入っていった。



