ご主人様に監禁されて



◇◇◇

屋敷に突如、美少女と美少年がやって来た。

美、とつけるのは彼女の意見だが、たぶん一般からみても美がつく2人であろう。

少女の方は礼儀正しく奥ゆかしい、上品な雰囲気をまとった子。
少年はどこか野性みがある、けれど無邪気で可愛い子。


いきなりやってきた彼らに戸惑った彼女ら使用人に、主であるルイは言った。


『僕以上に丁寧に扱ってくれ』


事実、ルイは少女たちに下手だったし、秘書である野崎も畏れおおさにペースを乱していた。

かなりの大人物なのだろうと推測がついたから、使用人たちはルイ以上に傅いた。



「…あのぉ、こんばんわ?」

屋敷で掃除をしていると、何故か疑問系で話しかけられた。

振り向けば例の美少年だった。


「あ…!な、何の用でございましょう!」


モップを落としかけたがいそいで持ち直す。

パジャマ姿である。

ミルクティーのような髪色がしっとりと濡れていて、その上肌は赤みを帯びていた。
お風呂上りなことは明確である。

黒い目をさ迷わせ、もじもじと恥ずかしそうに指をいじっていた。

何の用か全くわからない。

けれど可愛い、とっても可愛い。

女の加護欲や母性をガンガン引き出してくる。


「あの…ちょっと聞きたいことがあって」

「え?」

「このお屋敷って、使用人とルイさん以外に人っていますか?」

可愛さに悶えてた使用人は、止まった。


この子は絶対にメイのことを聞いてるのだ。


彼女の持ってるメイの情報は、薬を飲ませたことがある程度。

決して多いとは言えない。

けれど、その情報を彼に話していいものか。