「……うそ、ルコーラ・ヒューアスって…ルイさんのお父様じゃないですの…
!」
国の重鎮であり、貴族の出でありながら腕の立つ商人でもある。
ヒューアス家は彼の腕で持ってるようなものだ。
そんな彼が、彼女を引き取って捨てたというのか。
「な、なんで…メイちゃんを引き取ったんですの?」
「わかんないです…でも、いらなくなったみたいで」
「………っ」
悲しそうに言うメイに、胸を傷ませる。
(…かわいそうに、ここまで卑下され続けたのなら、役立たずと思い込んでも仕方ない…)
「気にすることないですよ。私あの人嫌いですし…気持ち悪いというか」
「え、大旦那さまを知ってるんですか?」
「ええ、何回かお会いしたことありますもの。…まさか会いたいとか」
「そ、それはないです!…できればもう会いたくないです」
自分を価値がないと言って捨てた人に会いたいわけがない。
気持ちを察して、メイの頭を胸の中に収めた。
メイと違って控えめな胸部なので、性的な絵面にはならなかった。
なのにティンが恨めしそうに見てる。見えないように軽く脇腹をつねった



