「はい。えと、小学二年生のときにきました…あ、この部屋には、五年生のときです」
「ご、5年間もここにいるのかよ!?」
「はい」
ティンの驚いた声にも動じず、さも当然と答えた。
「…そんなに…」
「うーん…ご主人さまはどうして私を置いてるんでしょー…」
考え込んだメイ。
なんで置かれてるのかわからない。
そもそも気がついたらここにいた。
(考えたことなかったです…)
来たいと望んだわけでも、無理やり連れ込まれたわけでもない。
行き場の無くしたとき、たまたまルイに拾われたのだ。
「…メイちゃん、ルイさんとは、お友達なんですの?」
「お友達かなぁ…ご主人さまって呼んでるし、お友達じゃないと思うです」
「じゃあ、恋人とか?」
「……わかんないです。でも、手とか繋ぎませんし…」
恋人の定義は手をつなぐことなのか。
「じゃあ一一私が頂きましょうか」
「…え?なにを?」
「ルイさんを。
そうですわね、私もいい加減身を固めないと側近がうるさいですし」
思いついたように言い放つリルに、慌てたのはティンだった。
「り、リル!」
立ち上がって、身を震わせて叫ぶ。



