ご主人様に監禁されて

◇◇◇

暖かかった。

ふわふわとしていて、無重力のような暖かさ。

泣いたって許されるような安心感のある空間に彼はいた。



(メイ)

そこでだって、彼はメイを探した。

(メイ…)

彼女のいない空間。

そう考えが行き着くと、一気に寒気に変わった。

愛情をすべて失ったかのような恐怖に、彼は叫ぶ。

頼むから、自分のものでいてくれと。


頼むから、どこにも行かないで一一ただ、どうか笑っていてくれと。


初めて望んだ笑顔なのだから。
ただ一



「……」

嫌な夢だと思った。

目が覚めて感じたは、最悪の気分だった。


気持ちの悪い吐き気のするような気分。


「……さすがに、答えたな。こればかりは」


ため息をついて、ベッドから起き上がった。