「…も、もう大丈夫です、メイ…何を……」
「過呼吸になってたから連れてきたんだ。ここは彼女の家だよ」
男の方が説明をしてくれる。
「俺は日向歌月。彼女は白龍瑠璃。決して他意はないから安心して」
こくこくと肯定するように女の子一一もとい、瑠璃が頷いた。
「あ、ありがとうございます…!め、メイは国崎メイって言います」
「メイちゃんか。こんな時間に何してたの?」
歌月が聞けば、うっとたじろぐ。
やはり家出かと思案した。
「…俺達は少しコンビニに買い物に行ってたんだ。そこで絡まれてるメイちゃんを瑠璃が見つけて」
「…だって、ほっとけないし……」
「1人の時は近づいちゃだめだよ、わかった?」
「……」
こくりと拗ねたように頷いた瑠璃だった。
何故かお説教に入ってる。
「…ところで、足…」
話題を変えようとしたのか、瑠璃が足を見やる。
泥だらけで傷だらけな足を不審に思ったらしい。
「…あっ!ご、ごめんなさいこんな汚い足で……」
可愛らしい猫の模様の布団は、明らかに彼女のものだ。
汚してしまったと慌てたメイだったが。
「違うの、怪我してるから…。寝てていいよ。手当てだけさせて」
「そんな…洗ってき、」
洗面器が目に入った。
湯気が入っていて、タオルをそこに浸して絞っている。
「…メイ自分でやれます……」
「…いいからいいから」
そっと優しい手付きで足を拭ってくれる。
暖かくて丁寧で、心地よかった。
「……ごめんなさい」
なんだか申し訳なくってそう言えば、瑠璃は少しだけ笑っていった。
「…いいの。謝らないで」
無条件の優しさ。
甘えてばかりの自分が申し訳なくなった。



