「なっ…」
「逃げていいよ、追わないから」
そう言えば、彼らはけんもほろろに逃げていく。
わかりやすい負け犬っぷりだった。
「いった…久しぶりに殴ったけど痛い」
ぶんぶんと手をいたわる男。
「…大丈夫?」
それに答えるかのように聞こえてきた女の子の声。
「ああありがと……って俺じゃないのか」
暗闇から白いものが出てきて、メイに話しかけていた。
白髪の女の子。
驚いて声も出ないメイに、その子は優しく寄り添った。
「あ…あ…」
「……よしよし」
無表情、されど、優しい声。
あまり年齢は変わらないのに、やけに心に響く。
「嫌、だ、助け……」
「……怖かったね」
背中をさせられて、過呼吸気味なことに気づいた。
「ひっ、う、う……」
「歌月、この子…」
「はいはい。君、過呼吸もちなのかな?」
「うえ…う、ひっ」
うまく息ができない。
ひっひっと喘ぐ彼女を見つめてから、彼は白髪の女の子を見つめた。
「家に連れてこう、これは危ない」
「……」
こくりと無言で頷いた女の子。
「…大丈夫?すぐだから」
男におぶわれ、メイはその女の子たちの家へ連れてかれた。



