「……ん?」
ザ、と土を踏む足音。
顔を上げれば、男が2人近づいてきていた。
暗さで容姿があまり見えないが、背格好から男だとわかる。
なんとなく恐怖を覚え、ボストンバックを抱きしめる。
「あれ〜?どうしたの?こんな夜中に…1人?」
「え、あ、」
「大きな荷物持って…家出かな?」
やけに馴れ馴れしい。
怖さで口をぱくぱくすることしかできない。
そんな彼女ににやりと嫌な笑を浮かべた彼らは、互いに顔を見合わせて。
「俺達さ、家出人を保護する団体なんだよね〜」
「ほ、ほご?」
「そ〜そ〜。家出人を保護して、助けるの」
「……」
にやにやと笑っている。
明らかに危ないのだが、彼女はあろうことか一一納得してしまった。
「そう、なんですね。そんなお仕事があるんですね。初めて知ったです…」
まさか信じるとは思わなかったのか、少し驚きながら、それでも上手く行きそうなことにほくそ笑んだ。
「でも家出じゃないです。えっと、お兄ちゃんの所に行くんです。だから、うんと、大丈夫です」
にっこりと微笑んだメイだったが。
「まーまー。そんな事言わずに」
ぐっと腕をつかまれる。
それも結構な強さ。
「いっ」
「困ってんでしょ、助けてあげるって言ってんじゃん!」
ぐいぐいと引っ張られ、一気に恐怖に変わる。
「やめっ、違うです、メイは一一」
尋常じゃない強さ。
怯えで震え始めた。
涙で視界が緩んできた時、浮かんだのは一一やはり、彼だった。



