◇◇◇
「………」
どんよりと、心の中に石が沈んでいた。
ルイは立派に落ち込んでいた。
最初で最後の父親の手を振りほどいてしまったことに。
何をしてるんだか、あんな父親のことくらい忘れて作業に戻らねば、と思うのだが、なかなか体が動けない。
脱力感。
こんなときメイさえいたら…とも思ったが、メイに弱音を見せて幻滅させたくない思いもあった。
かっこいいスマートな自分を見せたいじゃないか。
見せれてるかどうかは別として。
「社長っ!」
バンっとノックもせずに乗り込んできた声に、心臓がはねる。
「…な、なんだ野崎…?いつもの君らしくないな」
「いつも通りになんてしてられませんっ!!社長!大変なんです!!」
顔を真っ青にして、泣きそうな顔。
よほどの事態だ、と身構えた。
「一一メイさんが、家出しました!!!」
「……え?」
ドクンと心臓の音が鳴り、胸が騒ぎ出す。



