ご主人様に監禁されて

◇◇◇


「メイさま、おはようございます」



また、起こしてもらう声が変わった。

「……」

慣れ親しんだ声じゃないことがなんとなく嫌で、布団に潜ってみる。

このメイド、野崎よりもずっとたやすいのだ。


「メーイーさーまー」

「すぅすぅ」

「えー…寝てる……」


こんなわかりやすいたぬき寝入りにころりと騙されるとは。

二度寝を確信したメイに、冷ややかな声が降ってきた。


「高遠さん、こんなわかりやすい嘘寝に騙されてはいけませんよ」

朝からスーツに身を包んだキリキリっとした野崎であった。

「うへぇ……もう、野崎さんは朝から厳しいのです」

もう嘘は通じない、彼女はルイ以上に融通の効かない性格なのだ。

「当たり前でしょう、社長から生活を乱さないようにとあれほど言われてるのですから」

理由は単純、『美容に悪いから』

とことんメイ大好きな彼であった。

しぶしぶベッドから降りたメイに、野崎は優しく微笑んだ。

「おはようございます、よく起きましたね、いい子です」

アメとムチ、怖いばかりではない彼女にころりと好感度があがる。

「今日はシフォンケーキです」

「わーいっ」

「あっ、私紅茶をいれますね」

ぱたぱたと高遠がポットに手を伸ばし、はたと手が止まった。

もうカップに紅茶が入っている。

唖然としていると、野崎がメイの髪の毛をとかしながら。

「先ほど部屋に入るときにいれておきました。ああ、カップを温めておいてくれてありがとうございます」

「……」