ご主人様に監禁されて



◇◇◇



話に聞いていたより、メイはずっと明るかった。


リルはそのことに安心しつつも、人間はいくらでも自分を偽れることを知っていたため、決して信用しなかった。

この明るさがメイの感情の全てではない。

裏では傷ついて泣いているのだと、きちんと心得ていた。

だから、あえて聞かなかった。


もとよりルコーラを尋問済みだったので事件の全容は把握している。


人の嫌な記憶を弄るより、今後の話をした方がいいと思った。

野崎とルイが気をきかせて退室し、3人きりになる。

チャンスだと思った。

だから、踏み込むつもりだった。


「メイちゃん」

「はい」

「メイちゃんを傷つけた人は、ティンがこらしめてくれました。これから国に連れて帰って、裁きます」

「捌く……?」

「お魚の方じゃないですよ?」

きょとんとしたメイは、意味を理解して。

「裁くって…裁判にかけるってことですか?その、メイを……あの…」

「ごめんなさい。メイちゃんのことで裁いてやりたいのは山々なんですが、元より彼は重罪人でして。ほかの事件で裁くことになります」


シャリルの暗殺、リルの暗殺未遂。


この二つで極刑なのは間違いないので、スムーズに裁くためにもリルは強姦のことは言わないつもりでいた。

裁いてやりたかった。

けれど、極刑の上の極刑はない。