不思議に思ってつぶやくと、野崎はさも当然のように。
「親だから、ですよ。やっぱり、愛して欲しかったんじゃないですか?」
「はあ?」
「普通の息子なら、親がこてんぱんにやられてる所を見たら助けようとするでしょう、それがないことに寂しさを覚えたとか」
「そんな人間か、あいつは」
「それか……メイさんのことで罪悪感を覚えたとか」
野崎は、さきほど襲われてる最中にルイへの恋心に気づいたという、腕の中の少女を見つめた。
メイが気づいたのなら、もしかしたらルコーラも気づいてるのかもしれない。
そうならば罪悪感も湧くだろう。
いくら冷血感とはいえ、それくらいの情はあるはずだ。
「……そうなのか…?全くわからない」
「社長は人の心に鈍感ですからね、仕方ないでしょう」
「野崎……」
「失礼、言い過ぎました」
睨まれたので先に謝っておいた。
「これからお父様はどうなるのですか?国に帰って、どのように裁かれるのでしょうか」
「詳しいことはわからないが、多分裁判にかけられて……十中八九、国家反逆罪で死刑だろうな」
「まあそりゃあお姫様を殺そうとしたんですからね」
淡々と言い放つルイだった。



