ご主人様に監禁されて



「何が希望なんですか…?」


「希望ねぇ……」


「母の敵たる私を殺すこと?裁くこと?堕として、高みから見下ろしたいのですか?」


「そうですね、強いていうなら、全部です」


天使、そう評される笑みで、そう告げた。


「それでも足りないくらいです。
私はとにかくあなたが憎い。

私とティンのすべてを奪って、そしてメイちゃんの心までも奪うんですから。

強欲にも程がありますわ。本当、この世のすべての苦しみを与えたい」

紅い目が燃えてるように、光る。

黄金の髪が神々しさを際立たせた。


詩でも唄うように呪詛をたたきつけるのだから、恐ろしいことこのうえない。


「国民の天使にそこまで思われてるのだから、私は幸せ者ですな」

「まあ、とんだドMがいますわ。手錠も御褒美なのですか?」


毒をはいてるとは思えない綺麗な微笑みで。


「とにかく、あなたにはこの証拠で私の希望を全部叶えてもらいます」


手のひらの血が染みた遺書を抱きしめた。