その全員が祐輔に熱い視線を送っている。
そして、もちろんあたしへは恨みの視線を。
熱いやら痛いやらで、皮膚が低温やけどをしてしまいそう。
「祐輔。あんた、うっとーしくないの? 毎日こんなに大勢連れ回してさ」
由依が周囲の様子を見ながら、笑って言った。
視線の余波を受けてるはずなのに、まったく平気そう。
由依って、男の子みたいに強くてサバサバした性格してるからなぁ。
いつも明るいし、うらやましいぐらい。
「好きで連れ回してるわけじゃねえよ。オレは幼児連れ去り犯か」
「あんた、修学旅行の時には本気で気を付けた方いいよ?」
「なにをだよ?」
「油断してると県外から2~3人ぐらい、フラフラついて来ちゃうから」
「・・・・・・笑えねー・・・・・・」
うん。ほんとに笑えない。
十分にありえそうな話で。
あたし達は教室について、それぞれの席に向かう。
あたしは由依を呼び止めた。
「由依。さっきはありがとう」
あたしのこと、大森さんから庇ってくれてありがとうね。
・・・・・・嬉しかったよ。
「いいよ。別にお礼を言われるようなことじゃないもん」
由依はニコッと明るい笑顔を見せてくれた。


