あたしは心配になって、しばらく様子を見ていた。
祐輔はベンチに座ったまま、じっとして動かない。
浅く腰かけて、長い足を持て余すように組んでいる。
そして、何かを考え込むような顔をしていた。
その目は、真剣に中庭を眺めている。
見たことも無いようなその表情は、たたでさえ整った祐輔の顔立ちを、ますます引き立たせていた。
本当にキレイな顔立ちしてるな。祐輔って。
・・・・・・・・・・・・。
あたしは深いため息をついて、また歩き始めた。
心配だけど、何も言ってくれないんじゃ対処のしようがない。
あたしたち、親友同士なのになぁ。
ねえ、大樹もそう思うよね?
あたしは出入り口のガラス戸を開けて、中庭から出た。