「お前、女子高生がイビキかいて眠りこけんなよ」

「うそ! あたしイビキかいてた!?」

「おお。かいてたぞ」



ぎゃー!? うそー!?


あ、あたしってイビキかくの!? 知らなかった!


そりゃ本人は熟睡してるんだから、知らなくて当然なんだけど!


でもどうしよう! 修学旅行の時に恥かいちゃう!


それまでに絶対、なんとかしないとー!


「ね、イビキって耳鼻科で治療できる!? 保険ってきくのかな!?」


きゃーきゃー騒いでいるあたしの様子を、祐輔はニヤニヤ笑いながら眺めている。


その表情を見てピンときた。


この顔は・・・・・・


「祐輔! だましたな!?」

「ハハハ・・・・・・!」


祐輔は目を細めて、楽しそうに大笑いした。


ううぅー! ま、また引っかかった!


コイツいっつも、あたしをからかって遊ぶんだから!


あたしはあんたのオモチャじゃないっての!


「佳那がこんな所で寝るのが悪い」


「だます方が悪いに決まってるでしょ!?」


「一発で目が覚めたろ? 感謝しろよ」


「そのやり方が、根性悪すぎ!」