求め合うみたいに、唇と唇が触れ合う。


重なる薄い皮膚を通して感じる、驚くほど熱い体温。


あたしの体温が大樹に伝わって。


大樹の体温があたしに伝わって。


溶け合って・・・・・・混じり合う。


唇が触れる。ただ、それだけ。


ただそれだけで、こんなにも大樹の全てを確かめることができるなんて。


心臓がドキドキしている。


とても幸せで嬉しくて。


そして、不安にも思う。


大樹の胸もきっとドキドキしてる。


・・・・・・だめ。負担になっちゃうよ。


あたしたちはキスなんてしちゃ、いけないんだよ。



でも


唇が


離れてくれない・・・・・・。



あたしの目尻に涙がひと粒、伝って落ちた。


泣きながら、小鳥のような、キスをした。