遠足の翌日から、大樹はずっと学校を休み続けた。


あたしは、誰も座っていない大樹の席を見て、毎日ため息ばかりをついている。


大樹、あたし心配だよ。


隣の席の空白が、不安でしかたないよ。


ねぇ、もしも。

もしもこのまま、大樹が戻ってこなかったら・・・・・・。


そう考えると、大樹の机とイスが涙でにじむ。


あたしは大樹のために用意したティッシュで、何度も自分の涙をふいた。


メソメソしてばかりのあたしを、祐輔がいつもなぐさめてくれる。


「そんな顔すんなよ。きっと大樹は大丈夫だから」


「うん・・・・・・」


「お前、大樹の彼女だろ? 大樹を信じろ」


「そうだよね。あたしは大樹の彼女なんだもんね。信じなきゃ」


「・・・・・・・・・・・・」


「ありがと祐輔」


廊下に祐輔とふたり、並んで窓の外を眺めた。


いつもあたしたちの間にある、背の低い、薄茶色の髪がない。


あの可愛い笑顔がいない。


大樹お願い。早く戻って来て。


あたしと祐輔の間に。


あたしの隣に。


早く戻って来て・・・・・・。