空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~


日に当たることのない、白い皮膚も。


運動を許されない華奢な体も。


心臓のせいで伸びきれない背丈も。


苦しい時ほど無理に笑おうとする、大樹の微笑みも、その心も。


あなたの全部に惹かれていた。


毎日毎日、見つめていた。


その全てに触れるたびに・・・・・・


心がどんどん熱くなり、切なく痛んだ。


そして・・・・・・


とても、幸せだったんだ。



だから・・・だからね、嬉しいんだよ。


だって好きな人に『好きだ』って告白してもらえたんだよ?


夢みたいだよ。最高だよ!


だから・・・こんなに素晴らしい瞬間に・・・・・・


「どうか大樹、泣かないで・・・・・・!」


あたしは、血にまみれた腕で大樹を抱きしめる。


大樹の血も涙も、両方が止まるように。


祈りと思いを込めて、精一杯の力で抱きしめた。