大樹の血がダラダラと流れていく。
あたしの腕が真っ赤に染まっていく。
苦しそうな、途切れ途切れの大樹の声が・・・・・・
必死に、自分の想いを伝えようとしている。
「ごめんね。佳那。伝えちゃってごめん。それと、好きでごめん」
「あ・・・・・・」
「こんなボクが佳那を好きになっちゃって・・・・・・ごめんよ・・・・・・」
「謝らないでったら!」
抱き締める腕に、ギュッと力を込めた。
あたしの胸元が濡れて湿っている。
これは大樹の血? それとも・・・・・・
彼の流した涙?
大樹の吐く苦しげな息は、すすり泣く音が混じっていた。
・・・謝らないで! 泣かないで!
あたしを『好きだ』と告げながら、涙を流さないで!
そんな必要ないんだから!
だって、だってあたし・・・・・・
「あたしだって、ずっと大樹のこと好きだったんだもの!」


