あたしは地面に座り込み、うずくまっている大樹の体を抱き寄せた。
「佳那、ごめん・・・・・・また、ボクの血でキミを汚し・・・・・・」
「しゃべらないで!」
「散歩したいなんてワガママ言って、ごめん。バチが当たった」
「謝らないで!」
しゃべらないでいい! 謝らなくていい!
大樹が・・・・・・
「大樹が謝ることなんか、ひとつもない!」
大樹は青い空が見たかっただけ。
紅葉が見たかっただけ。
楽しそうに過ごす仲間の姿を眺めたかっただけ。
・・・・・・何が悪いのよ!?
それの何が悪いの!? どこが悪いっていうの!?
普通のことでしょ!? まるっきり、当たり前のことじゃないの!
空を見ただけよ! 歩いただけよ!
そんなことがワガママになっちゃうの!?
友達と散歩しただけでバチが当たるの!?
それだけで、こんな目にあわなきゃならないの!?
「そんなの絶対に間違ってる! 大樹は絶対に悪くないんだから!」
あたしは大樹の頭をギュッと抱きかかえて叫んだ。


