あたしとの永遠を誓い合った大樹は、死んだ。
あたしには絶対に越えられない壁を越えて、ひとり、逝ってしまった。
なのに、あたしは生きている。
そしてこれからも生きていかなければならない。
あの愛しい存在を失ってもなお、生き続けなければならない。
その無情な現実が・・・・・・
あたしには、怖くてしかたなかった・・・・・・。
あたしはうつむき、ハラハラと涙を落とす。
足元に小さな一匹のアリがいた。
群れからはぐれ、まるで道を見失ったようにポツンとひとり、途方に暮れて佇んでいるその姿。
見おろし、胸を震わせ、あたしは何度も何度もすすり上げた。
・・・・・・そうなんだ。
あたしも見失ってしまった。
目の前に広がる自分の命の道を。
この、どこまで続くのかも分からない
なんの保証すらもない
あまりに漠然とした世界。
それを前にして・・・足が、すくんだ。
孤独に苦しみながら生きていくことが、恐ろしかった。
だから一歩も進めなかったんだ。


