あたしは、乱暴に言葉を吐き捨てた。
ギュッと手を握り、お母さんを拒むように体を丸くする。
そしてブンブン首を横に振った。
聞きたくない! そんな話、聞きたくない!
『それだけ』なんて、どうして言えるの!?
あの涙を、あの苦しみを、あの命が逝ったことを!
「可哀想じゃないわけが、ないじゃない!」
どんな理屈を並べたって!
損じゃないとか、可哀想じゃないとか、不幸じゃないとか言ったって!
それは、お母さんがそう思いたいだけだ!
大樹は、あんなにも可哀想な目にあったのに・・・
それを「可哀想だったね」って、認めてあげたっていいじゃない!
だって大樹はもう、もう・・・・・・
「自分のことを可哀想だと思うことすら、できなくなってしまったんだから!」
「そうよ。だって大樹は死んだんだもの」
「・・・・・・・・・・・・!」
ズクンッ! と心臓に衝撃が走った。
重すぎる言葉の現実が、あたしの全身を責めたてる。
この痛みは、あの時と同じ痛み。
そう、祐輔に言われた時と同じ痛み。
『大樹は、死んじまったんだ』


