お母さんもきっと同じだよね?
同じ気持ちを感じているはずだよね?
そう願うあたしを、お母さんはじっと見ている。
そして少し困ったような顔をした。
「でも奥村さん、それはね、しかたがないことなのよ」
予想とまったく違った言葉が帰ってきて、あたしは面食らった。
オウム返しにお母さんの言葉を繰り返す。
「・・・しかたない?」
「ええ。だって、命はみんな同じだもの」
「同じって、なにがですか?」
「命は、いつの間にか生まれて、いつか去っていくものよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「等しいの。だから妬むものでも、憎むものでもないの」
そう言って、やっぱり少し困った顔のまま笑った。
言いたいこと、分かるかしら? って表情で。
でもあたしは、とてもその言葉には納得できない。
みんな等しい?
・・・・・・どこがよ?
なに言ってるの? ぜんぜん同じなんかじゃないよ。
「だったらなんで、大樹は死んだんですか?」
思わず、責めるような口調になった。
お母さんを責める筋合いの話じゃないのに。
でも、気持ちが止まらなくて。
まるで大樹の命を奪ったものへ挑むように、あたしは吐き出し続けてしまう。


