「・・・エビの、天ぷら・・・?」
「それと、野菜の掻き揚げ・・・だよね? これ」
「うちの昨日の晩御飯のおかずだ。これ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
見合わせたお互いの顔が、徐々に歪んでいく。
そして我慢の限界を超えて、同時に派手に吹き出してしまった。
「サンドイッチの具が、野菜の天ぷらー!?」
「しかもこれ、ご丁寧に辛子マヨネーズが塗ってあるし!」
「ほんと!? お母さんてばウケ狙いか!? 大樹、大丈夫だった!?」
「ビックリして心臓の血流止まるかと思った!」
ふたりでバンバン机を叩きながら大爆笑。
涙流しながら大笑いしてしまった。
あんまり大騒ぎしたもんで、天ぷらサンドイッチ事件はあっという間に皆に知れ渡る。
笑いの余波がクラス中に広まった。
ゲテモノサンドイッチを食べてしまった大樹は、クラスで一躍有名人になってしまった。
皆の中心でニコニコしている大樹を見ると、あたしもすっごく嬉しい気持ちになれる。
・・・えへへ、お母さん、ありがとね。


