裏切れない。
大好きな大樹を裏切りたくない。
大樹との永遠を、穢したくない。
大樹の指輪の、赤い光があたしの心を染める。
指輪をはめてくれた、あの時の大樹の笑顔が目に浮かんだ。
胸が詰まって・・・・・・目が涙で潤んでしまう。
あたしは唇を噛みしめ、全身に力を込めて拒絶の意志を祐輔に伝え続けた。
やがて・・・・・・
祐輔の腕から、ふっと力が抜ける。
そしてスルリとあたしの体から腕が外された。
あたしはホッと息を吐き、なんとか呼吸を整える。
「・・・・・・戻ろう」
祐輔が、静かにそう言った。
その声の奥底に隠れた深い悲しみを感じる。
あたしは、さらに強く唇を噛んだ
また・・・・・・祐輔の心を傷つけてしまった。
祐輔が扉を開けるのと同時に、暗かった室内に光が差し込む。


