空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~


「いっただっきまーーす」


「いただきます。佳那、今日はサンドイッチ? すごく美味しそう」


くっつけた机同士の向こうから、大樹があたしのお弁当を覗き込んでる。


これ? うちのお母さんが


「うわー寝坊した! しかもこんな日に限って冷蔵庫カラッポ! ぎゃー! どうしよう!」


って、散々わめき散らしながら倍速で作った、手抜きお弁当だけど。


「大樹、サンドイッチ好きなの? どうぞ」


「いいの? ありがとう」


大樹が嬉しそうにサンドイッチをひとつ手に取り、かぶりつく。

と・・・・・・。


「・・・んーーーーー!?」


突然、目を丸くしてヘンテコな悲鳴を上げた。


口の中にサンドイッチを突っ込んだまま、固まって機能停止してる。


「ど、どうしたの!? 鼻血!? 鼻血が出るの!?」


慌ててティッシュボックスを引っ掴んだあたしに向かい、大樹はようやくプルプル首を左右に動かした。


「サ・・・サンドイッチの具が、具が・・・」


そう言って、目を白黒させながらパンを広げて中身を見せる。


何事かと覗き込んだあたしの目に・・・・・・