目的物は棚の一番上にあった。
踏み台を探したけど、見つからない。
うーん、背伸びして取るしかないな。
爪先立って手を伸ばしたけど、これがまた、ギリギリ届かない絶妙な高さ。
届きそうで届かない、ビミョーな高さがイライラする。
く・・・うおおぉーーー・・・。
頑張れ! あと、ほんの2センチ!
いてて! 腕から背中にかけての筋が、攣りそう~!
夢中になってプルプル震えながら、思いきり全身を伸ばした時・・・
―― カチャン
突然、教材室の扉が閉まる音が聞こえた。
室内がいきなり暗くなってしまう。
・・・・・・誰?
ちょっと、扉閉めないでよ。暗くてよく見えないんだから。
あたしは暗がりの中、誰が入ってきたのかと目を凝らす。
「佳那、いるのか?」
「祐輔っ?」
暗がりの中、背の高い人影が書棚の影からぬうっと現れ、あたしは驚いた。
その声は、確かに祐輔の声だった。
「祐輔? 祐輔なの?」
「見りゃ分かるだろが」
「あたし、鳥目だもん。見えないよ」


