その日から、ティッシュボックスと小柄な男の子とのワンセットの、あたしの中学生活がスタートした。
当然、男の子とこんなに長い時間一緒にいたりしたら、変に目立つ。
あたしと仲のいい友達は
「あー、また佳那のお節介焼きが始まった」
って笑ってたけど。
他のクラスメイトたちからは、さすがにちょっと引かれてしまった。
あたしも最初は気が引けたし、緊張もしたけど。
・・・けどなんていうか、違和感?
そんなのは、不思議と全然感じなかった。
あたしと大樹は、妙にウマが合ったんだ。
まるでずっと昔からの友達みたいに、すぐに下の名前で呼び合う仲になれた。
「佳那、次、音楽教室だよ? ほら早く早く」
「待って大樹。ひとりで先に行っちゃダメでしょ!」
「こら、佳那ー。勝手にボクの数学のプリント丸写しするなー」
「でへへ。いつもお世話になってまーす」
「あー、お腹空いた。佳那、お弁当食べよう」
「お、大樹くん、今日は珍しく食欲がありますなあ!」
休み時間の時も大樹と一緒。
教室移動の時も大樹と一緒。
お弁当を食べる時も、毎日一緒の楽しい日々。


