さすがは由依!
本人がすっかり忘れてた学級旗のこと、覚えてくれてたんだ!
しっかりフォローまでしてくれて!
あぁ! 本当に頼りがいがある友だちだよー!
「由依って最高! スバラシイ!」
「ふふふ。女神と呼びなさい」
「女神さま! 由依さま~!」
あたしは由依にギュッと抱き付いた。
由依も笑って抱き返してくる。
腕の中の由依の存在が、すごく嬉しかった。
さっきまでの、取り残されたような心細さが消えていく。
曇った空に薄い光が差し込んだように。
「さ、職員室行こうよ。担任に提出しなきゃ」
「うん!」
あたしたちは抱き合ったまま生徒玄関へ向かった。
キャアキャア笑い声をあげながら。
由依の笑顔と、笑い声が眩しい。
すっごくキラキラ光って見えた。
あたしは、昨日から何度繰り返したか知れない言葉を、また繰り返す。
『由依、本当にありがとう』
そう心の中で、何度も、何度も。


