昨日中に提出しろって言われてたんだっけ!
でも、それどころじゃなかったし!
あたしの頭って、ひとつ以上のことを同時に考えるのに向いていないんだよ!
一極集中タイプなの!
うわー! マズイどーしよー!
さっきとは別の意味で顔が強張った。
アタフタしているあたしに、由依がニンマリ笑って用紙を差し出す。
「はいこれ。佳那にプレゼント」
・・・・・・プレゼント?
あたしはキョトンとして、由依の顔を見た。
そして差し出された用紙を受け取る。
見ればそれは、学級旗デザイン用のプリントだった。
しかも・・・・・・
「デザイン、描いてあるーーー!」
フェニックスだ! すっごくカッコイイ!
しかも色付けまでしてある! うわあ、じょうずー!
あたしはピョンピョン飛び跳ねて興奮した。
「これ、どうしたの!?」
「あたしの弟、絵が得意なんだ」
「そうなの!?」
「ちょっとおだてたら、喜んで描いたの。単純なヤツでさー」
「嬉しいー! ありがとう由依ー!」


