「半分って…?」


私は呆然としながら聞き返す。


侑也はいつもと同じ穏やかな声で説明してくれた。


「うららのことが好きなのは本当だよ。

だけど、初めて会った時に、うららに一目惚れしたわけじゃない。

そういう意味では、僕は嘘をついていたことになる。

だから半分は本当、半分は嘘なんだよ」


侑也は、ごめんね、と掠れた声で謝った。


「どうしてそんな嘘をついたの?」


私の問に、侑也は口を開けて何かを言おうとしたけれど、何も言わないまま再び口を閉じた。

そしてそのまま黙ってしまった。

視線を彷徨わせながら、下を向く。


さっき、侑也は何を言おうとしたの?


そう問い詰めようと思ったその時、声が聞こえた。


「私も話にいれてよ」


それは、私が大好きだった声。


そして、私が今いちばん恐れている声。



「亜、美」



私の親友の声。