突発性ヴァンパイア・ガール!

「えええええ!?

なに、急にどうしたの!?

なに、何!?

どうしたの!?

またドッキリなの!?

私、引っかかっちゃったの!?」


私が慌てふためいていると、2人は「ごめん」と言った。


「昨日、言ってなかったよね」


侑也は眉を下げた。


「謝ったからといって、許されることじゃないとは分かっているわ。

けれど、謝らせてほしいの」


亜美も罰の悪そうな顔をした。


「うららに嘘を言ってごめん。

騙して、ごめん」


侑也はもう一度頭を下げる。

亜美も頭を下げながら言った。


「ありもしない噂を流してごめん。

うららを傷つけてごめん」


2人は深く頭を下げていた。


私はそんな2人に「顔をあげて」と言った。


「もう、いいよ」


私は笑って言った。


確かに、私は裏切られた。

嘘をつかれたし、ありもしない噂を流された。


何度も傷ついたし、何度も泣いた。


だけど、もう、それは終わったこと。


「もう一度、やり直そう。

そう言ったでしょ?」


2人が吸血鬼だとか、なんだとか、そんなのは関係なくて。


私は、2人ともう一度笑い合いたいんだ。



特別なことは何もなかったけれど、でもいちばん幸せだったあの頃にあった『幸せ』。


私が望むのは、それだけだから。



2人は顔をあげた。


穏やかに微笑んでいる。


私もにこっと微笑み返した。


「ほんと、うららはどこまでもうららなんだから」


亜美は溜息を吐くようにそう言った。


けれどその顔は優しさで満ちていた。


「あぁ、そういえば」


侑也が思い出したように言った。


「吉崎君が講堂裏に来いって」


「私?」


自分を指さした。


「今からだって」


時計を見る。


「え、今から!?」


時計と侑也の顔を何度も見比べる。


「うん、今からだって」


侑也は穏やかにそう言った。


「今からって、あと5分で朝礼始まるじゃん!

ここから講堂裏に行くだけで5分以上かかるのに!

何それ、私に朝礼をサボれと!?」


あのサボリ魔め!


ぎりぎりと両手を握っていると、侑也が「まあまあ」となだめた。