初めて逢った夜、どうして莉乃にあんなことを言ったのか自分でもよくわからない。 目を輝かせながら夜景を見下ろす彼女の横顔に胸が高鳴って、気付くとそう言っていた。 声をかけるつもりなんてなかったのに。 これ以上深入りするのはやめよう。 彼女の持つ柔らかくて温かい雰囲気は俺には眩しすぎて。 だけど すべてを包み込んでくれるような、そんな安心感があるから無意識に求めてしまう。 でもこれ以上深入りすると必ず傷付く。 それがわかっているから、それなら自分から突き放した方がいい。