「ウソだよ……だって、元気じゃん」
なんで
そんなこと。
ねぇ
ウソ、なんでしょ……?
やだよ。
「とりあえずここ出ようか」
シロー君はスッと立ち上がって入口に向かって歩き出した。
おぼつかない足取りでその後を追って図書室を出る。
辿り着いたのは噴水の前のベンチ。
今日は曇っているからそこまで暑くはない。
蝉の声がうるさい気もするけど、それどころじゃなかった。
シロー君がベンチに座ったのを見て、少し距離を空けて並んで座る。
信じられない気持ちでいっぱいだったけど、タイミングを見計らってシロー君はまた話し出す。
まるで他人事のように話す淡々としたその口調に、ひどく胸が締め付けられて苦しかった。



